行政法 地方自治法17

 

第六款 職員の派遣

 

(職員の派遣)

 

第二百五十二条の十七  普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員は、法律に特別の定めがあるものを除くほか、当該普通地方公共団体の事務の処理のため特別の必要があると認めるときは、他の普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員に対し、当該普通地方公共団体の職員の派遣を求めることができる。

 

2  前項の規定による求めに応じて派遣される職員は、派遣を受けた普通地方公共団体の職員の身分をあわせ有することとなるものとし、その給料、手当(退職手当を除く。)及び旅費は、当該職員の派遣を受けた普通地方公共団体の負担とし、退職手当及び退職年金又は退職一時金は、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の負担とする。ただし、当該派遣が長期間にわたることその他の特別の事情があるときは、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体及びその求めに応じて当該職員の派遣をしようとする普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員の協議により、当該派遣の趣旨に照らして必要な範囲内において、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体が当該職員の退職手当の全部又は一部を負担することとすることができる。

 

3  普通地方公共団体の委員会又は委員が、第一項の規定により職員の派遣を求め、若しくはその求めに応じて職員を派遣しようとするとき、又は前項ただし書の規定により退職手当の負担について協議しようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。

 

4  第二項に規定するもののほか、第一項の規定に基づき派遣された職員の身分取扱いに関しては、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の職員に関する法令の規定の適用があるものとする。ただし、当該法令の趣旨に反しない範囲内で政令で特別の定めをすることができる。

 

第四節 条例による事務処理の特例

 

(条例による事務処理の特例)

 

第二百五十二条の十七の二  都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることができる。この場合においては、当該市町村が処理することとされた事務は、当該市町村の長が管理し及び執行するものとする。

 

2  前項の条例(同項の規定により都道府県の規則に基づく事務を市町村が処理することとする場合で、同項の条例の定めるところにより、規則に委任して当該事務の範囲を定めるときは、当該規則を含む。以下本節において同じ。)を制定し又は改廃する場合においては、都道府県知事は、あらかじめ、その権限に属する事務の一部を処理し又は処理することとなる市町村の長に協議しなければならない。

 

3  市町村の長は、その議会の議決を経て、都道府県知事に対し、第一項の規定によりその権限に属する事務の一部を当該市町村が処理することとするよう要請することができる。

 

4  前項の規定による要請があつたときは、都道府県知事は、速やかに、当該市町村の長と協議しなければならない。

 

(条例による事務処理の特例の効果)

 

第二百五十二条の十七の三  前条第一項の条例の定めるところにより、都道府県知事の権限に属する事務の一部を市町村が処理する場合においては、当該条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務について規定する法令、条例又は規則中都道府県に関する規定は、当該事務の範囲内において、当該市町村に関する規定として当該市町村に適用があるものとする。

 

2  前項の規定により市町村に適用があるものとされる法令の規定により国の行政機関が市町村に対して行うものとなる助言等、資料の提出の要求等又は是正の要求等は、都道府県知事を通じて行うことができるものとする。

 

3  第一項の規定により市町村に適用があるものとされる法令の規定により市町村が国の行政機関と行うものとなる協議は、都道府県知事を通じて行うものとし、当該法令の規定により国の行政機関が市町村に対して行うものとなる許認可等に係る申請等は、都道府県知事を経由して行うものとする。

 

(是正の要求等の特則)

 

第二百五十二条の十七の四  都道府県知事は、第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、第二百四十五条の五第二項に規定する各大臣の指示がない場合であつても、同条第三項の規定により、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

 

2  第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に対する第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第一項から第十一項までの規定の適用については、同条第十二項において読み替えて準用する同条第二項から第四項まで、第六項、第八項及び第十一項中「都道府県知事」とあるのは、「各大臣」とする。この場合においては、同条第十三項の規定は適用しない。

 

3  第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち自治事務の処理について第二百四十五条の五第三項の規定による是正の要求(第一項の規定による是正の要求を含む。)を行つた都道府県知事は、第二百五十二条第一項各号のいずれかに該当するときは、同項に規定する各大臣の指示がない場合であつても、同条第二項の規定により、訴えをもつて当該是正の要求を受けた市町村の不作為の違法の確認を求めることができる。

 

4  第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に係る市町村長の処分についての第二百五十五条の二第一項の審査請求の裁決に不服がある者は、当該処分に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣に対して再審査請求をすることができる。

 

5  市町村長が第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があつたときは、当該裁決に不服がある者は、再々審査請求をすることができる。この場合において、再々審査請求は、当該処分に係る再審査請求若しくは審査請求の裁決又は当該処分を対象として、当該処分に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣に対してするものとする。

 

6  前項の再々審査請求については、行政不服審査法第四章 の規定を準用する。

 

7  前項において準用する行政不服審査法 の規定に基づく処分及びその不作為については、行政不服審査法第二条 及び第三条 の規定は、適用しない。

 

第五節 雑則

 

(組織及び運営の合理化に係る助言及び勧告並びに資料の提出の要求)

 

第二百五十二条の十七の五  総務大臣又は都道府県知事は、普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。

 

2  総務大臣は、都道府県知事に対し、前項の規定による市町村に対する助言若しくは勧告又は資料の提出の求めに関し、必要な指示をすることができる。

 

3  普通地方公共団体の長は、第二条第十四項及び第十五項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、総務大臣又は都道府県知事に対し、当該普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に関する技術的な助言若しくは勧告又は必要な情報の提供を求めることができる。

 

(財務に係る実地検査)

 

第二百五十二条の十七の六  総務大臣は、必要があるときは、都道府県について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。

 

2  都道府県知事は、必要があるときは、市町村について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。

 

3  総務大臣は、都道府県知事に対し、前項の規定による検査に関し、必要な指示をすることができる。

 

4  総務大臣は、前項の規定によるほか、緊急を要するときその他特に必要があると認めるときは、市町村について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。

 

(市町村に関する調査)

 

第二百五十二条の十七の七  総務大臣は、第二百五十二条の十七の五第一項及び第二項並びに前条第三項及び第四項の規定による権限の行使のためその他市町村の適正な運営を確保するため必要があるときは、都道府県知事に対し、市町村についてその特に指定する事項の調査を行うよう指示をすることができる。

 

(長の臨時代理者)

 

第二百五十二条の十七の八  第百五十二条の規定により普通地方公共団体の長の職務を代理する者がないときは、都道府県知事については総務大臣、市町村長については都道府県知事は、普通地方公共団体の長の被選挙権を有する者で当該普通地方公共団体の区域内に住所を有するもののうちから臨時代理者を選任し、当該普通地方公共団体の長の職務を行わせることができる。

 

2  臨時代理者は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任する時まで、普通地方公共団体の長の権限に属するすべての職務を行う。

 

3  臨時代理者により選任又は任命された当該普通地方公共団体の職員は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任した時は、その職を失う。

 

(臨時選挙管理委員)

 

第二百五十二条の十七の九  普通地方公共団体の選挙管理委員会が成立しない場合において、当該普通地方公共団体の議会もまた成立していないときは、都道府県にあつては総務大臣、市町村にあつては都道府県知事は、臨時選挙管理委員を選任し、選挙管理委員の職務を行わせることができる。

 

(臨時選挙管理委員の給与)

 

第二百五十二条の十七の十  前条の臨時選挙管理委員に対する給与は、当該普通地方公共団体の選挙管理委員に対する給与の例によりこれを定める。

 

(在職期間の通算)

 

第二百五十二条の十八  都道府県は、恩給法 (大正十二年法律第四十八号)第十九条 に規定する公務員(同法同条 に規定する公務員とみなされる者を含む。以下本条中「公務員」という。)であつた者、他の都道府県の退職年金及び退職一時金に関する条例(以下本条中「退職年金条例」という。)の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法 (昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 及び第二条 に規定する職員を含む。以下本条中「他の都道府県の職員」という。)であつた者又は市町村の退職年金条例の適用を受ける学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する大学、高等学校及び幼稚園の職員並びに市町村の教育事務に従事する職員中政令で定める者(以下本条中「市町村の教育職員」という。)であつた者が、当該都道府県の退職年金条例の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法第一条 及び第二条 に規定する職員を含む。以下本条中「当該都道府県の職員」という。)となつた場合においては、政令の定める基準に従い、当該公務員、他の都道府県の職員又は市町村の教育職員としての在職期間を当該都道府県の退職年金条例の規定による退職年金及び退職一時金の基礎となるべき在職期間に通算する措置を講じなければならない。ただし、市町村の教育職員としての在職期間については、当該市町村の教育職員に適用される退職年金条例の規定が政令の定める基準に従つて定められていないときは、この限りでない。

 

2  都道府県は、当該都道府県の職員であつた者が公務員、他の都道府県の職員又は市町村の教育職員となり、その当該都道府県の職員としての在職期間が恩給法 の規定による恩給の基礎となるべき在職期間又は他の都道府県若しくは市町村の退職年金条例の規定による退職年金及び退職一時金の基礎となるべき在職期間に通算される場合における必要な調整措置を、政令の定める基準に従い、講じなければならない。

 

3  第一項の規定は、公務員であつた者、都道府県の職員(都道府県の退職年金条例の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法第一条 及び第二条 に規定する職員を含む。)をいう。以下本項において同じ。)であつた者又は他の市町村の教育職員であつた者が市町村の教育職員となつた場合における当該市町村について、前項の規定は、市町村の教育職員であつた者が公務員、都道府県の職員又は他の市町村の教育職員となつた場合における当該市町村について、これを準用する。

 

4  普通地方公共団体は、第一項及び前項の規定の適用がある場合のほか、他の普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員であつた者が当該普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員となつた場合においては、当該他の普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員としての在職期間を当該普通地方公共団体の退職年金条例の規定による退職年金及び退職一時金の基礎となる在職期間に通算する措置を講ずるように努めなければならない。

 

第二百五十二条の十八の二    普通地方公共団体は、国又は他の普通地方公共団体の職員から引き続いて当該普通地方公共団体の職員となつた者に係る退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の当該国又は他の普通地方公共団体の職員としての引き続いた在職期間を当該普通地方公共団体の職員としての引き続いた在職期間に通算する措置を講ずるように努めなければならない。

 

第十二章 大都市等に関する特例

 

第一節 大都市に関する特例

 

(指定都市の権能)

 

 

第二百五十二条の十九  政令で指定する人口五十万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。

 

一  児童福祉に関する事務

 

二  民生委員に関する事務

 

三  身体障害者の福祉に関する事務

 

四  生活保護に関する事務

 

五  行旅病人及び行旅死亡人の取扱に関する事務

 

五の二  社会福祉事業に関する事務

 

五の三  知的障害者の福祉に関する事務

 

六  母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の福祉に関する事務

 

六の二  老人福祉に関する事務

 

七  母子保健に関する事務

 

七の二  介護保険に関する事務

 

八  障害者の自立支援に関する事務

 

八の二  生活困窮者の自立支援に関する事務

 

九  食品衛生に関する事務

 

九の二  医療に関する事務

 

十  精神保健及び精神障害者の福祉に関する事務

 

十一  結核の予防に関する事務

 

十二  土地区画整理事業に関する事務

 

十三  屋外広告物の規制に関する事務

 

2  指定都市がその事務を処理するに当たつて、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可、承認その他これらに類する処分を要し、又はその事務の処理について都道府県知事若しくは都道府県の委員会の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの許可、認可等の処分を要せず、若しくはこれらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可等の処分若しくは指示その他の命令に代えて、各大臣の許可、認可等の処分を要するものとし、若しくは各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。

 

(区の設置)

 

第二百五十二条の二十  指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。

 

2  区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。

 

3  区にその事務所の長として区長を置く。

 

4  区長又は区の事務所の出張所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて充てる。

 

5  区に選挙管理委員会を置く。

 

6  第四条第二項の規定は第二項の区の事務所又はその出張所の位置及び所管区域に、第百七十五条第二項の規定は区長又は第四項の区の事務所の出張所の長に、第二編第七章第三節中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について、これを準用する。

 

7  指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区ごとに区地域協議会を置くことができる。この場合において、その区域内に地域自治区が設けられる区には、区地域協議会を設けないことができる。

 

8  第二百二条の五第二項から第五項まで及び第二百二条の六から第二百二条の九までの規定は、区地域協議会に準用する。

 

9  指定都市は、地域自治区を設けるときは、その区域は、区の区域を分けて定めなければならない。

 

10  第七項の規定に基づき、区に区地域協議会を置く指定都市は、第二百二条の四第一項の規定にかかわらず、その一部の区の区域に地域自治区を設けることができる。

 

11  前各項に定めるもののほか、指定都市の区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

 

(総合区の設置)

 

第二百五十二条の二十の二  指定都市は、その行政の円滑な運営を確保するため必要があると認めるときは、前条第一項の規定にかかわらず、市長の権限に属する事務のうち特定の区の区域内に関するものを第八項の規定により総合区長に執行させるため、条例で、当該区に代えて総合区を設け、総合区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くことができる。

 

2  総合区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに総合区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。

 

3  総合区にその事務所の長として総合区長を置く。

 

4  総合区長は、市長が議会の同意を得てこれを選任する。

 

5  総合区長の任期は、四年とする。ただし、市長は、任期中においてもこれを解職することができる。

 

6  総合区の事務所の職員のうち、総合区長があらかじめ指定する者は、総合区長に事故があるとき又は総合区長が欠けたときは、その職務を代理する。

 

7  第百四十一条、第百四十二条、第百五十九条、第百六十四条、第百六十五条第二項、第百六十六条第一項及び第三項並びに第百七十五条第二項の規定は、総合区長について準用する。

 

 

8  総合区長は、総合区の区域に係る政策及び企画をつかさどるほか、法律若しくはこれに基づく政令又は条例により総合区長が執行することとされた事務及び市長の権限に属する事務のうち主として総合区の区域内に関するもので次に掲げるものを執行し、これらの事務の執行について当該指定都市を代表する。ただし、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合は、この限りでない。

 

一  総合区の区域に住所を有する者の意見を反映させて総合区の区域のまちづくりを推進する事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものを除く。)

 

二  総合区の区域に住所を有する者相互間の交流を促進するための事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものを除く。)

 

三  社会福祉及び保健衛生に関する事務のうち総合区の区域に住所を有する者に対して直接提供される役務に関する事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものを除く。)

 

四  前三号に掲げるもののほか、主として総合区の区域内に関する事務で条例で定めるもの

 

9  総合区長は、総合区の事務所又はその出張所の職員(政令で定めるものを除く。)を任免する。ただし、指定都市の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、市長の同意を得なければならない。

 

10  総合区長は、歳入歳出予算のうち総合区長が執行する事務に係る部分に関し必要があると認めるときは、市長に対し意見を述べることができる。

 

11  総合区に選挙管理委員会を置く。

 

12  第四条第二項の規定は第二項の総合区の事務所又はその出張所の位置及び所管区域について、第百七十五条第二項の規定は総合区の事務所の出張所の長について、第二編第七章第三節中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について準用する。

 

13  前条第七項から第十項までの規定は、総合区について準用する。

 

14  前各項に定めるもののほか、指定都市の総合区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

 

(政令への委任)

 

第二百五十二条の二十一  法律又はこれに基づく政令に定めるもののほか、第二百五十二条の十九第一項の規定による指定都市の指定があつた場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

 

(指定都市都道府県調整会議)

 

第二百五十二条の二十一の二  指定都市及び当該指定都市を包括する都道府県(以下この条から第二百五十二条の二十一の四までにおいて「包括都道府県」という。)は、指定都市及び包括都道府県の事務の処理について必要な協議を行うため、指定都市都道府県調整会議を設ける。

 

 

2  指定都市都道府県調整会議は、次に掲げる者をもつて構成する。

 

一  指定都市の市長

 

二  包括都道府県の知事

 

 

3  指定都市の市長及び包括都道府県の知事は、必要と認めるときは、協議して、指定都市都道府県調整会議に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。

 

一  指定都市の市長以外の指定都市の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者

 

二  指定都市の市長がその補助機関である職員のうちから選任した者

 

三  指定都市の議会が当該指定都市の議会の議員のうちから選挙により選出した者

 

四  包括都道府県の知事以外の包括都道府県の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者

 

五  包括都道府県の知事がその補助機関である職員のうちから選任した者

 

六  包括都道府県の議会が当該包括都道府県の議会の議員のうちから選挙により選出した者

 

七  学識経験を有する者

 

4  指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、指定都市の市長又は包括都道府県の知事以外の執行機関の権限に属する事務の処理について、指定都市都道府県調整会議における協議を行う場合には、指定都市都道府県調整会議に、当該執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者を構成員として加えるものとする。

 

5  指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、第二条第六項又は第十四項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、指定都市の市長にあつては包括都道府県の事務に関し当該包括都道府県の知事に対して、包括都道府県の知事にあつては指定都市の事務に関し当該指定都市の市長に対して、指定都市都道府県調整会議において協議を行うことを求めることができる。

 

6  前項の規定による求めを受けた指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、当該求めに係る協議に応じなければならない。

 

7  前各項に定めるもののほか、指定都市都道府県調整会議に関し必要な事項は、指定都市都道府県調整会議が定める。

 

(指定都市と包括都道府県の間の協議に係る勧告)

 

第二百五十二条の二十一の三  指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、前条第五項の規定による求めに係る協議を調えるため必要があると認めるときは、総務大臣に対し、文書で、当該指定都市及び包括都道府県の事務の処理に関し当該協議を調えるため必要な勧告を行うことを求めることができる。

 

2  指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、前項の規定による勧告の求め(以下この条及び次条において「勧告の求め」という。)をしようとするときは、あらかじめ、当該指定都市又は包括都道府県の議会の議決を経なければならない。

 

3  指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、勧告の求めをしようとするときは、指定都市の市長にあつては包括都道府県の知事、包括都道府県の知事にあつては指定都市の市長に対し、その旨をあらかじめ通知しなければならない。

 

4  勧告の求めをした指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、総務大臣の同意を得て、当該勧告の求めを取り下げることができる。

 

5  総務大臣は、勧告の求めがあつた場合においては、これを国の関係行政機関の長に通知するとともに、次条第二項の規定により指定都市都道府県勧告調整委員を任命し、当該勧告の求めに係る総務大臣の勧告について意見を求めなければならない。

 

6  前項の規定により通知を受けた国の関係行政機関の長は、総務大臣に対し、文書で、当該勧告の求めについて意見を申し出ることができる。

 

7  総務大臣は、前項の意見の申出があつたときは、当該意見を指定都市都道府県勧告調整委員に通知するものとする。

 

8  総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員から意見が述べられたときは、遅滞なく、指定都市の市長及び包括都道府県の知事に対し、第二条第六項又は第十四項の規定の趣旨を達成するため必要な勧告をするとともに、当該勧告の内容を国の関係行政機関の長に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

 

(指定都市都道府県勧告調整委員)

 

第二百五十二条の二十一の四  指定都市都道府県勧告調整委員は、前条第五項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあつた事項に関して意見を述べる。

 

2  指定都市都道府県勧告調整委員は、三人とし、事件ごとに、優れた識見を有する者のうちから、総務大臣がそれぞれ任命する。

 

3  指定都市都道府県勧告調整委員は、非常勤とする。

 

4  指定都市都道府県勧告調整委員は、勧告の求めをした指定都市の市長若しくは包括都道府県の知事が前条第四項の規定により勧告の求めを取り下げたとき又は同条第五項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあつた事項に関して意見を述べたときは、その職を失う。

 

5  総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員が当該事件に直接利害関係を有することとなつたときは、当該指定都市都道府県勧告調整委員を罷免しなければならない。

 

6  第二百五十条の九第二項、第八項、第九項(第二号を除く。)及び第十項から第十四項までの規定は、指定都市都道府県勧告調整委員に準用する。この場合において、同条第二項中「三人以上」とあるのは「二人以上」と、同条第九項中「総務大臣は、両議院の同意を得て」とあるのは「総務大臣は」と、「三人以上」とあるのは「二人以上」と、「二人」とあるのは「一人」と、同条第十項中「二人」とあるのは「一人」と、同条第十一項中「両議院の同意を得て、その委員を」とあるのは「その指定都市都道府県勧告調整委員を」と、同条第十二項中「第四項後段及び第八項から前項まで」とあるのは「第八項、第九項(第二号を除く。)、第十項及び前項並びに第二百五十二条の二十一の四第五項」と読み替えるものとする。

 

(政令への委任)

 

第二百五十二条の二十一の五  前二条に規定するもののほか、第二百五十二条の二十一の三第一項に規定する総務大臣の勧告に関し必要な事項は、政令で定める。

 

第二節 中核市に関する特例

 

(中核市の権能)

 

第二百五十二条の二十二  政令で指定する人口二十万以上の市(以下「中核市」という。)は、第二百五十二条の十九第一項の規定により指定都市が処理することができる事務のうち、都道府県がその区域にわたり一体的に処理することが中核市が処理することに比して効率的な事務その他の中核市において処理することが適当でない事務以外の事務で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。

 

2  中核市がその事務を処理するに当たつて、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事の指示その他の命令に代えて、各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。

 

第二百五十二条の二十三    削除

 

(中核市の指定に係る手続)

 

第二百五十二条の二十四  総務大臣は、第二百五十二条の二十二第一項の中核市の指定に係る政令の立案をしようとするときは、関係市からの申出に基づき、これを行うものとする。

 

2  前項の規定による申出をしようとするときは、関係市は、あらかじめ、当該市の議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない。

 

3  前項の同意については、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。

 

(政令への委任)

 

第二百五十二条の二十五  第二百五十二条の二十一の規定は、第二百五十二条の二十二第一項の規定による中核市の指定があつた場合について準用する。

 

(指定都市の指定があつた場合の取扱い)

 

第二百五十二条の二十六  中核市に指定された市について第二百五十二条の十九第一項の規定による指定都市の指定があつた場合は、当該市に係る第二百五十二条の二十二第一項の規定による中核市の指定は、その効力を失うものとする。

 

(中核市の指定に係る手続の特例)

 

第二百五十二条の二十六の二  第七条第一項又は第三項の規定により中核市に指定された市の区域の全部を含む区域をもつて市を設置する処分について同項の規定により総務大臣に届出又は申請があつた場合は、第二百五十二条の二十四第一項の関係市からの申出があつたものとみなす。

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