会社法 362条-条/979条 取締役会

    第五節 取締役会

 

 

株主総会以外の機関~その1

株式会社の株主総会以外の機関を2回に分けて解説します。今日は、①取締役、②取締役会、③代表取締役、④会計参与――についてです。

Ⅰ.取締役
取締役は会社経営の専門家ですが、その定義は、会社の種類によって2つに分かれます。まず、取締役会非設置会社の取締役は、会社の業務を執行する必要的機関です。これに対して取締役会設置会社の取締役は、取締役会を構成し、会社の業務執行の決定と取締役の職務執行の監督権を有する者です。つまり、取締役会非設置会社の取締役は会社の機関ですが、取締役会設置会社の取締役は機関ではなく、機関である取締役会のメンバーのことであることで異なります。
1.取締役の被選資格と員数
法人、成年被後見人・被保佐人などは取締役になれません。
会社法では、公開会社の取締役は、必ず株主の中から選任しなければならないという定款は定めてはならないことになっています。それは、株式会社では所有することと経営することが、制度的に分離されているからです。また、公開会社の従業員に限定するという定款を設けることもできません。
一方、非公開会社では、実質的な所有と経営が一致していることが多いので、定款で「取締役は株主の中から選任する」と定めることが可能です。
取締役の員数は、会社の種類によって異なります。取締役会非設置会社では1人以上ですが、取締役会非設置会社では3人以上です。取締役会を設置する場合には取締役会の決議は多数決で行われるので、最低3人は必要だからです。
取締役は、株式総会の普通決議で選任します。なお、定足数は定款で定めても、必ず3分の1が必要です。つまり、定款で3分の1以下に定められないということです。一方、終任は①任期満了と②解任――の2つが中心です。そのほか、③辞任、④民法の定める契約の終了事由、⑤欠格事由の発生――でも終任します。
ここでは、①任期満了と②解任について詳しく説明します。
公開会社の取締役の任期満了は、原則として選任後2年以内に終了する事業年度の最終のものに関する定時株主総会の終結時までです。その理由は、株主が取締役の経営者としての適否を判断するチャンスを多くするためです。
これに対し、非公開会社の取締役の任期は10年まで延長できます。実質的に所有と経営が一致している非公開会社では、株主が取締役の経営者としての適否を判断する必要があまりないからです。
解任は、原則として理由のいかんを問わず、株主総会の普通決議で行えます。ただし、正当な理由なく解任したときには、会社は当該取締役に対して損害賠償をしなければなりません。
また、違法行為を行った取締役に対して、株主は裁判所に取締役解任の訴えを提起できます。裁判所が不正行為などを認定すれば、株主総会の決議がなくても、また、株主総会の解任決議が不成立でも、当該取締役は裁判所の命令によって解任されます。解任請求できる株主の要件は公開会社と非公開会社で異なりますので、次の表で確認してください。

なお、取締役の辞任などで取締役の員数が欠けた場合、当該取締役は、新取締役が就任するまで、取締役としての権利義務を有します。

Ⅱ.取締役会
取締役会は、取締役会設置会社において取締役全員によって構成され、会社の業務執行の意思決定と取締役の職務執行の監督をする権限を有する必要的機関で、いわば、経営者会議です。
取締役会設置会社では、株主は株主総会で会社の基本的事項を決定するにすぎないため、取締役の権限は極めて広範囲で強力なものとなるので、複数の取締役からなる取締役会を設け、取締役相互の協議によって、会社の業務執行に関する意思決定が適切なものとなるようにしたものです。
1.取締役会の権限
取締役会の権限は、会社の業務執行の意思決定と取締役の職務執行の監督が主です。業務執行の意思決定権限は、取締役会にあります。特に、①重要な財産の処分と譲受け、②多額の借財、③支配人その他の重要な使用人の選任・解任、④支店その他の重要な組織の設置・変更・廃止、⑤社債の発行――などは、会社にとって非常に重要ですから、取締会で決定しなければなりません。ただし、日常的・細目的事項に関しては、絶対に取締役会で決定しなければならないというほど重要はないので、代表取締役に委任されたものとされています。
また、取締役会は、取締役の職務執行の監督を行う権限も有しています。そのため、取締役会は最低でも3カ月に1回は開催しなければなりません。
2.取締役会の招集・決議
取締役会の招集権限は、各取締役が持っています。取締役会で招集権者を決めたときは、その取締役が招集権を持ちますが、この場合でも、招集権を持たない取締役は、一定の要件のもとで取締役会を招集できます。なお、監査役非設置会社の株主や監査役設置会社の監査役にも、取締役会の招集権限があります。
取締役会の招集通知は、1週間前に各取締役(監査役設置会社では取締役および監査役)に通知を発することでなされます。定款でこの期間を短縮することも可能です。通知は、口頭でも書面でもOKで、議題を示す必要もありません。なお、取締役などの全員の同意がある場合には、招集手続を省略することもできます。
取締役会の決議は、取締役の過半数が出席し、1人1議決権の出席取締役の過半数の賛成で行われます。定款で決議要件を重くすることは可能ですが、軽くすることはできません。
また、定款に、取締役が提案した議題について、取締役全員が書面または電磁的記録により同意した場合は、当該議題を可決する取締役会決議があったものと見なすことを定めることも可能です。
しかし、取締役に議決権の代理行使をさせることはできません。また、決議について特別の利害関係のある取締役は、議決権を行使することができません。
取締役会の議事は議事録を作成し、10年間本店に置くことが必要です。株主や親会社の株主・会社債権者は、権利行使に必要な場合に取締役会の議事録の閲覧・謄写を請求することができます。
3.特別取締役
取締役会から委任された一定事項の決定を行う取締役を特別取締役と言います。取締役会設置会社で、取締役の数が6人以上であり、取締役のうち1人以上は社外取締役である場合に設置できます。その目的は、取締役の数が多く迅速な業務執行の意思決定ができない場合に、迅速な業務執行の意思決定を可能にさせることです。
4.取締役会決議の瑕疵
経営の専門家で構成される取締役会でも決議に瑕疵があることはあり得ます。例えば、取締役会の招集手続に瑕疵があった場合、取締役以外の者が決議に参加した場合、同意なしの書面による持ち回り決議が行われた場合――などが考えられます。
株主総会の場合と異なり、特別の訴えの制度が存在しないため、原則として、瑕疵ある取締役会の決議は無効になります。ただし、招集手続に瑕疵があった取締役が出席しても、決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情がある場合には、法的安定性を優先して有効であるとの判例があります。

Ⅲ.代表取締役
代表取締役は、対内的には業務を執行し、対外的には会社を代表する権限を有する機関で、取締役会設置会社では必要的機関です。
代表取締役の選任は、取締役会の有無により以下のように異なります。
取締役会非設置会社では、原則として各取締役が代表権を有し、代表取締役の選任は任意です。選任する場合は、定款・定款の定めにより互選、株主総会の決議により取締役の中から、代表取締役を定めることができます。
一方、取締役会設置会社では、代表取締役の選任は必要で、取締役会の決議で取締役の中から選任されます。
また、代表取締役は、取締役退任と同時に代表取締役の地位も失います。しかし、代表取締役を退任しても取締役の地位は失いません。取締役会設置会社では、取締役会の決議で、いつでも代表取締役を解職することができます。
1.代表取締役の権限
代表取締役の代表権は、会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為に及び、これを制限しても善意の第三者に対抗することができません。会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を包括的代表権と言い、会社内で権限の制限をしても、その制限の存在を知らない第三者に対抗できないことを不可制限的代表権と言います。
代表取締役が権限の範囲内の取引において、その権限を自己の利益のために濫用した場合、取引は原則として有効ですが、相手方に悪意または過失があったときは、取引は無効とされます。
また、代表権がないにもかかわらず、社長・副社長などの株式会社を代表する権限を有すると思われる名称を付した者を表見代表取締役と言いますが、表見代表取締役がした行為は、会社が善意の第三者に対してその責任を負います。このことを権利外観法理と言い、社長などという名称からその者に代表権をあると信じた相手方を保護する目的です。
権利外観法理が成り立つ要件は、次の3つです。
①外観の存在
②帰責性
③外観の信頼
①の外観の存在とは、真実の権利関係とは異なる虚偽の外観が存在しなければならないということです。例えば、ただの取締役で代表権はないのに、社長などという名称がついている場合です。
②の帰責性とは、虚偽の外観の作出に関して本人に責任がなければならないということです。
③の外観の信頼とは、相手方が権利関係と外観が異なることについて善意かつ無重過失でなければならないということです。
また、権利外観法理が適用された場合、会社は効果帰属を否定できず、責任を負うことになります。
2.代表行為の瑕疵
代表行為の瑕疵で問題となるのは、①無権代表行為と②代表権の濫用――です。
①の無権代表行為とは、株主総会決議や取締役会決議に反する行為や、これらの決議を欠く代表行為――のことです。例えば、取締役会設置会社において、代表取締役が必要とされる取締役会決議を経ずに多額の借財をしてしまったような場合です。判例では、民法93条但し書の類推適用により、相手方が善意・無過失なら有効、悪意・有過失なら無効としています。
②の代表権の濫用とは、客観的には代表権の範囲内にある行為を主観的には自己または第三者の利益を図る目的で行う場合を言い、明文規定はありません。例を挙げれば、客観的には代表権の範囲内に属する会社の営業資金の借入れを、主観的には自己消費の目的で行ったような場合です。

Ⅳ.会計参与
会計参与とは、取締役と共同して、計算書類・臨時計算書類・連結計算書類などを作成する機関です。
株式会社は、適時かつ正確な会計帳簿を作成しなければなりません。この敵時かつ正確な会計帳簿の作成権限は、原則として取締役にありますが、取締役が適時かつ正確な会計帳簿を作成する能力を有しているとは限りません。そこで、会計帳簿の適時性・正確性を確保するために、会計参与の設置が選択できます。ここまでは、前述の復習です。
会計参与の権限と義務は下表のとおりです。

続いて会計参与の選任・解任・任期などについて見ていきましょう。
会計参与は、取締役と同じく株主総会の普通決議によって選任されます。また、いつでも、株主総会の普通決議で解任できます。解任の場合は、正当な理由がない場合には損害賠償請求を会社に対して行えることも取締役と同様です。
任期は原則2年、非公開会社では10年まで延長できるのも取締役と同様です。
また、会計参与は公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人などの専門家でなければなりません。そして、会計設置会社またはその子会社の取締役、監査役、支配人、その他の使用人や、業務停止処分期間中の者などは会計参与となれません。

 

株式会社以外の機関~その2

今回は、株式会社の機関のうち、①監査役、②監査役会、③会計監査人、④委員会設置会社――について勉強しましょう。

Ⅰ.監査役
監査役とは、取締役(会計参与を含む)の職務執行を監査し、監査報告を作成する機関です。公開会社では、多数の利害関係者を保護するために、監査役を置かねばなりません。
1.監査役の選任・終任
監査役は、取締役が、監査役の同意を得て監査役選任議案を株主総会に提出し、株主総会の普通決議で選任します。定足数は、定款で定めることができますが、総株主の議決権の3分の1未満にはできません。また、監査役は、監査役の選任を株主総会の議題としたり、監査役選任議案を株主総会に提出することを、取締役に請求できます。さらに、株主総会で監査役の選任について意見を述べることもできます。
監査役の員数は、1人でも数人でもOKですが、法人や成年被後見人・被保佐人などは、監査役にはなれません。そのほか、公開会社では、定款で定めても被選資格を株主に限定することはできないなど、取締役と同様の制限があります。
監査役の終任は、①任期満了、②解任――が主なもので、このほか、③辞任、④民法の定める契約の終了事由、欠格事由の発生――でも終任します。
公開会社の監査役の任期は、原則として4年です。取締役の2年より長い点に注意してください。これに対し、非公開会社の監査役の任期は10年まで延長できるのは、取締役と同様です。
監査役の解任は株主総会の特別決議で行われます。これも取締役のように普通決議でない点がポイントです。正当な理由なく解任した場合は、会社に損害賠償責任が生じます。また、不正行為などがあったにもかかわらず、解任決議が否決された場合は、株主は裁判所に解任の訴えを提起できます。
監査役は株主総会で、解任についての意見を述べることも可能ですし、辞任後に最初に開かれる株主総会に出席して、辞任した旨とその理由を述べることも可能です。
2.監査役の権限
監査役は、原則として、①業務監査権限、②会計監査権限――を有します。
①の業務監査権限とは、取締役や会計参与の職務執行について監督・監査行うことができるものです。取締役や会計参与の職務執行については、取締役会が監督するのが本来ですが、取締役会を構成する取締役同士の馴れ合いで、不十分になってしまうおそれがあることから、監査役に権限を与えることができるのです。
ただし、監査役会設置会社や会計監査人設置会社ではない非公開会社では、監査役の権限を定款で会計監査権限のみに限定することができます。この場合、監査役が存在しても監査役設置会社とは言わないことに注意してください。
②の監査役の会計監査のなかで、最も重要なのは、定時株主総会に提出される決算の監査です。監査役は、取締役の提出した計算書類・事業報告および附属明細書について監査報告書を作成する権限を持ちます。
監査役の具体的な権限は、下表のとおりです。

監査役は、取締役の業務執行を適正で公正なものにするための機関ですから、独立性を確保する必要があります。監査役の独任制を確保する制度には次のようなものがあります。

Ⅱ.監査役会
監査役会とは、監査役全員によって構成され、監査報告の作成、監査方針の決定などを行う機関です。各監査役の役割分担を容易にして、情報の共有を可能にすることで、組織的で効率的な監査ができるよう制度化されました。委員会設置会社以外の大会社で公開会社は、監査役会を置かなければなりません。
監査役会設置会社では、監査役は3人以上で、半数以上が社外監査役でなければなりません。社外監査役とは、過去に当該株式会社またはその子会社の取締役・会計参与・執行役・支配人・その他の使用人になったことがない者です。
また、監査役会は、監査役の中から、当該株式会社の営業時間中その職務に専念する常勤監査役を選定しなければなりません。
監査役会には、監査報告の作成、常勤監査役の選定・解職、監査方針・会社の業務財産状況の調査方法などの決定などの権限があります。監査役会では多数決が妥当するため、少数派の意見が反映されないおそれもあります。そこで、監査役会制度の存在を前提としつつ、各監査役の権限行使は妨げられないという規定が会社法にはあります。

Ⅲ.会計監査人
会計監査人とは、計算書類などの監査をして、会計監査報告を作成する者のことです。大会社および委員会設置会社(後述)は、会計監査人を置かなければなりません。
会計監査人の選任は株主総会の普通決議で行われ、公認会計士または監査法人でないとなることができません。また、任期は1年です。
会計監査人は、会社の計算書類および附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類を監査し、その監査について、会計監査報告を作成する義務があります。また、会計監査人はいつでも、会計帳簿やこれに関する資料の閲覧・謄写をし、取締役・会計参与および支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることが可能です。また、子会社に対しても会計に関する報告を求め、会社や子会社の業務や財産の状況の調査を行うことができます。
会計監査人が、その職務を行うに際して、取締役の職務の執行に関して不正の行為または法令・定款に違反する重大な事実を発見したときは、遅滞なく監査役(監査役会)に報告しなければなりません。

Ⅳ.委員会設置会社
委員会設置会社とは、①指名委員会、②監査委員会、③報酬委員会――の3つの委員会を置く会社です。平成14年の法改正によって導入された、アメリカ型の会社経営システムで、現実には多くの大企業が採用しています。
委員会設置の目的は、執行役に業務執行権限を大幅に委譲して、経営の合理化・迅速化を図るとともに、取締役会による業務執行監督を強化することにあります。
委員会設置会社においては、取締役会の役割は、基本事項の決定と委員会の委員および執行役の選任などの監督機能が中心となり、三委員会が、監査・監督という企業統治の重要な位置を占めます。
委員会設置会社では監査役を設置することはできず、監査委員がその役割を果たします。委員会設置会社には、①三委員会、②執行役、③取締役会、④会計監査人――が置かれます。また、監督と執行が制度的に分離され、業務執行は執行役が担当するので、取締役は原則として業務執行はできません。さらに、会社を代表する者は代表執行役です。では、各機関を順に見ていきましょう。
委員会設置会社における取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでです。取締役は、原則として業務執行をすることはできず、支配人その他の使用人を兼任することもできません。
取締役会の権限は、原則として、a経営の基本事項の決定、b委員会の委員の選定・解職、c執行役の選任・解任――などに限定されます。
ところで、三委員会である指名委員会、監査委員会、報酬委員会の各委員会は、取締役の中から取締役会決議で選定した3人以上の委員で組織され、その過半数は社外取締役とされています。
指名委員会では、株主総会に提出する取締役および会計参与の選任・解任に関する議案の内容を決定します。
監査委員会では、執行役などの職務執行の監査および監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任・解任および再任しないことに関する議案の内容を決定します。
報酬委員会では、執行役などの個人別の報酬などの内容を決定します。執行役が支配人その他の使用人を兼任しているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等についても決定します。
なお、各委員会の比較を下表に示しますので、確認してください。

最後に執行役と代表執行役についてです。
執行役は、取締役会の決議により委任を受けた業務執行の決定をし、実際に業務を執行します。執行役は、取締役会で選任され、いつでも取締役会で解任することができます。任期は原則として、選任後1年以内に終了する事業年度の内の最終のものに関する定時株主総会の終結後、最初に招集される取締役会の終結のときまでです。
代表執行役は、執行役の中から選定された委員会設置会社を代表する機関です。取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければなりませんが、執行役が1人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとされます。代表執行役の解職も取締役会の決議でいつでも行えます。

 

役員等の損害賠償責任

前回まで、株式会社の機関をいろいろ見てきましたが、今日は、株式会社の取締役などの役員に瑕疵があった場合について、①役員等の義務と利害衝突防止、②役員等の会社に対する責任、③役員等の第三者に対する責任、④株主の責任追及等の訴えと差止請求――と勉強しましょう。

Ⅰ.役員等の義務と利害衝突防止
役員等とは、取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人――の総称です。役員等と会社は委任契約を締結します。したがって、民法の委任契約の規定が準用されるので、役員等は会社に対して善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)を負います。善管注意義務とは、「最善の注意を払え!」という義務でしたね。
しかし、善管注意義務というのは委任契約をした者なら誰でも負う義務です。会社の役員の義務はそんな程度でいいのでしょうか?
というわけで、会社法は、善管注意義務の役員バージョン「忠実義務」を負わせることにしました。「取締役・執行役は、法令・定款・株主総会決議を遵守し、社会のため忠実にその職務を行わなければならない」と規定したのです。
したがって、役員等の義務は、以上の善管注意義務と忠実義務の2つが一般的な義務です。しかし、どちらも抽象的な義務なので、より具体的な①競業避止義務、②利益相反取引禁止――という義務や規定を設けています。
1.競業避止義務
競業避止義務とは、取締役(執行役:以下省略)が自己または第三者のために、会社の事業の部類に属する取引を行う場合には、事前に株主総会・取締役会の承認を受けなければならないという義務です。当然、株主総会などは会社にとって不利であれば承認しませんので、結果として当該取締役は競業できないことになります。
競業には、次の2つの場合が該当します。
①自己または第三者のためであること
②株式会社の事業の部類に属する取引であること
①の自己または第三者のためというのは、自己または会社以外の第三者に経済的な利益を与えることになるためという意味です。簡単に言えば、自分か会社以外の誰かが儲かるということです。
②の株式会社の事業の部類に属する取引というのは、会社の営業と市場で競合する可能性のある取引という意味です。営業品目がまったく同じでなくても競合する可能性がある取引はこれに相当します。
もし、取締役が競業を行うとしたら、とらなければならない手続は次のとおりです。
①事前に取引について、相手方、所在地、期間、規模、目的物などを開示したうえで、株主総会・取締役会の承認を得る。
②取引終了後、取締役会設置会社・委員会設置会社の場合には、取引をした取締役は、取引について重要な事実を取締役会に報告する。
株主総会・取締役会の承認を得ずに、取締役が取引を行ってしまった場合でも取引は有効となります。それは、取引の相手方が会社外部の第三者であるので、第三者の利益は保護しなければならないからです。一方、取締役に対しては、会社は損害賠償責任を追及できます。なお、競業避止義務違反は、取締役の正当な解任事由となります。
2.利益相反取引
利益相反取引とは、取締役と会社間の取引のことで、①直接取引、②間接取引――2つの場合があります。
①の直接取引とは、取締役が自己または第三者のために取引(具体的には、会社からの財産の譲受け、金銭の譲受け、会社への財産譲渡など)などをすることで、当該取締役が代表取締役であるときはもちろん、他の取締役が会社を代表する場合でも、会社の利益を害するおそれがあります。
具体例で見てみましょう。

上の図の場合、X氏が代表取締役としてA株式会社を代表してこの取引を行うと、X氏が単独で契約できることになります。ということは、土地の売買価格はX氏が勝手に決めることができるので、通常の取引で1億円の価格の土地を1000万円(極端には1万円で)で購入することも可能なわけです。つまり、会社の利益を大きく害し、一方、X氏には利益となります。たとえX氏が代表取締役でなくても、代表取締役と結託すれば、この取引は可能です。
そこで、会社の利益を守るため、取締役会設置会社では、このような直接取引については、重要な事実を示して取締役会(取締役会非設置会社では株主総会)の承認を受けなければならないことになっています。
次に②の間接取引は、会社が取締役の債務について取締役の債権者に対して保証や債務引受をする場合です。
これも具体例を見てみましょう。

上の図で取締役X氏がY氏から借金する場合に、A株式会社がその保証人になる場合です。この場合は会社と取締役間の直接取引ではありません。しかし、会社とY氏は保証契約を結ぶわけですから、X氏が弁済できないときは、会社が肩代わりしなければなりません。このことは、会社にとって不利益でX氏にとっては利益になります。
そこで、やはり、会社の利益を守るため、このような間接取引の場合にも、重要な事実を示して取締役会(取締役会非設置会社では株主総会)の承認を受けなければならないことになっています。
このように、利益相反となる取引とは、会社と取締役との利害が衝突し裁量により会社に不利益を生じさせるおそれのある取引と考えられています。この判断は、行為の性質により異なります。例えば、取締役が会社に対して自己の財産を無償で贈与する場合は、これに当たらないとされています。
利益相反取引を取締役会などの承認を得ずに行った場合は、その取引は無効となります。ただし、第三者が入る間接取引の場合は、第三者が善意の場合は有効です。上の図では、A株式会社とY氏との保証契約は有効です。この場合に、会社は取締役に対して損害賠償責任の追及ができます。
競業避止義務と利益相反取引についての違いを把握することは重要なので、下表で確認してください。

競業避止義務違反や利益相反取引違反があって、会社が取締役を相手に訴訟を提起する場合、あるいは、逆に取締役が会社を相手に訴訟を提起する場合、会社を代表するのはどの機関になるのでしょう?
本来、対外的にも会社を代表するのは代表取締役のはずです。しかし、会社と取締役間の訴訟で、代表取締役が会社を代表したのでは、馴れ合いから正当な訴訟が行われないおそれがあります。そこで、会社法では、この場合を次のように修正しています。
①取締役会非設置会社では、株主総会が定めた者が会社を代表できる
②取締役会設置会社では、株主総会または取締役会が定めた者が会社を代表できる
③監査役設置会社では、監査役が会社を代表する
④監査役非設置会社では、監査委員などが会社を代表する
なお、特別利害関係人となる取締役が、取締役会などの決議に参加できないのは、言うまでもありません。

Ⅱ.役員等の会社に対する責任
役員等がその任務を怠ったときは、会社に対して、そのことで生じた損害を賠償する責任を負います。これを任務懈怠責任と言います。また、責任を負う者が複数いる場合は連帯責任となります。
まず、利益相反取引があった場合は、次の者に任務懈怠責任があったと見なされます。
①利益相反関係にある取締役・執行役
②利益相反取引を決定した取締役・執行役
③利益相反取引を承認した取締役会で賛成した取締役(取締役会決議に参加し、議事録に異議をとどめなかった取締役は、賛成したものと推定されます)
①~③の取締役・執行役は、任務懈怠がなかったことを立証しない限り責任を免れることができません。
次に、取締役・執行役が手続に違反して競業を行った結果、会社に損害が生じた場合は、会社の損害額は、取締役・執行役・第三者が得た利益の額と推定します。
利益相反取引や競業取引に係る責任は、いずれも任務懈怠責任であるため、原則として過失責任ですから、総株主の同意があれば責任の免除を行うことが可能です。ただし、自己のために直接、利益相反取引をした取締役・執行役については、無過失責任とされ、責任の一部免除や責任限定契約の適用も認められません。
また、次の場合にも、取締役・執行役は、無過失責任を負います。
①自己取引:自己取引の結果、会社に損害が生じた場合の取締役・執行役の責任は、無過失であっても免除を受けることはできません。
②利益供与:株主権の行使に関して利益を供与した取締役・執行役の責任も無過失責任です。

Ⅲ.役員等の第三者に対する責任
役員等が、その職務を行うに当たって悪意または重過失であったときは、当該役員等はこれによって不利益を生じた第三者に対して、損害賠償責任を負います。
例えば、取締役の放漫経営で会社が倒産した場合に、会社の債権者に対して取締役も損害賠償責任を負います。この責任の性質は、第三者を保護するための特別の法定責任です。
つまり、この場合、第三者と取締役は直接の契約関係にはありません。ですから、第三者は、債務不履行による損害賠償を取締役に求めることができません。そこで、考えられる手段は、不法行為による損害賠償請求ですが、不法行為を立証するのはそう簡単ではありません。裁判をしても認めてもらえない場合が少なくないのです。
そこで、こうした第三者保護のために会社法では、不法行為より要件を緩和した特別の決まり429条の規定を設けました。これを特別法定責任と言い、法律で特定の者に責任を負わせることにしたのです。

Ⅳ.株主からの責任追及等の訴えと差止請求
役員等が会社に損害を及ぼすような行為を行ったり、行おうとしているのに責任を追及しない場合に、株主が自ら会社の利益を保護するために責任を追及する手段として、①責任追及等の訴え、②違法行為の差止請求――があります。
①の責任追及の訴えは、個々の株主に認められています。責任追及の訴えの対象は次の3つです。
a発起人・設立時取締役・設立時監査役・役員等・精算人――の責任追及
b違法な利益供与を受けた者に対する利益返還請求
c不公正価額で株式等を引き受けた者に対する差額支払い請求
責任追及等の訴えを請求することができるのは、6カ月前から引き続き株式を有する株主です。なお、責任追及等の訴えが当該株主や第三者の不正な利益を図ったり、当該株式会社に損害を与えることを目的としている場合は、責任追及等の訴えを会社に請求することはできません。
株主からの請求があると、会社を代表して当該取締役などに訴えの提起するのは、原則として代表取締役・代表執行役です。ただし、取締役の責任を追及する訴えの場合は、監査役が会社を代表します。
ただし、株主による請求の日から60日以内に、会社が責任追及等の訴えをしない場合には、請求した株主みずからが訴えを提起することができます。
次に、②の違法行為の差止めについてお話しします。
取締役や執行役の違法行為がなされる前にその行為をやめさせることができれば、それに勝ることはありません。そこで、会社法では、一定の要件の場合、個々の株主に取締役や執行役の違法行為を差止める権利を認めています。違法行為差止めの手続きは、責任追及等の訴えと異なり、株主が直接裁判所に提起できます。また、裁判外でも行えます。
取締役や執行役の違法行為に対して株主の差止請求権が認められるためには、次の3つの要件を充たすことが必要です。
①取締役または執行役が会社の目的の範囲外の行為その他法令・定款違反の行為をするか、これらの行為をするおそれがあること
②当該行為によって会社に著しい損害が生じるおそれがあること
(監査役設置会社または委員会設置会社では、回復することができない損害が生じるおそれがあること)
③6カ月前から引き続き株式を有する株主であること(非公開会社以外の株式会社の場合)
また、会社の業務執行に関して、不正の行為や法令や定款に違反する重大な事実があると思われる時にも、株主は、会社の業務や財産の状況を調査させるために、検査役の選任の申立てを裁判所に対して行うことが可能です。ただし、この申立てを行えるのは、①総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主、または、②発行済株式の100分の3以上の数の株式を有する株主――です。

 

 

     第一款 権限等
(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は、すべての取締役で組織する。
2  取締役会は、次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。
(取締役会設置会社の取締役の権限)
第三百六十三条  次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
一  代表取締役
二  代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
2  前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。
(取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表)
第三百六十四条  第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。
(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)
第三百六十五条  取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。
2  取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。
     第二款 運営
(招集権者)
第三百六十六条  取締役会は、各取締役が招集する。ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。
2  前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。
3  前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。
(株主による招集の請求)
第三百六十七条  取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。
2  前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。
3  前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。
4  第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。
(招集手続)
第三百六十八条  取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
(取締役会の決議)
第三百六十九条  取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2  前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
3  取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5  取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
(取締役会の決議の省略)
第三百七十条  取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
(議事録等)
第三百七十一条  取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。
2  株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一  前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二  前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3  監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。
4  取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
5  前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
6  裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。
(取締役会への報告の省略)
第三百七十二条  取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。
2  前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。
3  指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。
(特別取締役による取締役会の決議)
第三百七十三条  第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。
一  取締役の数が六人以上であること。
二  取締役のうち一人以上が社外取締役であること。
2  前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。
3  特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。
4  第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。
    第六節 会計参与
(会計参与の権限)
第三百七十四条  会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。
2  会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。
一  会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二  会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3  会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5  会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。
6  指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。
(会計参与の報告義務)
第三百七十五条  会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。
2  監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。
3  監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。
4  指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。
(取締役会への出席)
第三百七十六条  取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
2  会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。
3  会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。
(株主総会における意見の陳述)
第三百七十七条  第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。
2  指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。
(会計参与による計算書類等の備置き等)
第三百七十八条  会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。
一  各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間
二  臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間
2  会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。
一  前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二  前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三  前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四  前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3  会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。
(会計参与の報酬等)
第三百七十九条  会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
2  会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。
3  会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。
(費用等の請求)
第三百八十条  会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一  費用の前払の請求
二  支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三  負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
    第七節 監査役
(監査役の権限)
第三百八十一条  監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2  監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3  監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
(取締役への報告義務)
第三百八十二条  監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。
(取締役会への出席義務等)
第三百八十三条  監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。
2  監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。
3  前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。
4  前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。
(株主総会に対する報告義務)
第三百八十四条  監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。
(監査役による取締役の行為の差止め)
第三百八十五条  監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2  前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
(監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等)
第三百八十六条  第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。
一  監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合
二  株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合
三  最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合
2  第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。
一  監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
二  監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合
三  株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
四  最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
(監査役の報酬等)
第三百八十七条  監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
2  監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。
3  監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。
(費用等の請求)
第三百八十八条  監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一  費用の前払の請求
二  支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三  負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
(定款の定めによる監査範囲の限定)
第三百八十九条  公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
2  前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
3  前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。
4  第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。
一  会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二  会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
5  第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
6  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。
7  第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。
    第八節 監査役会
     第一款 権限等
第三百九十条    監査役会は、すべての監査役で組織する。
2  監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
一  監査報告の作成
二  常勤の監査役の選定及び解職
三  監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
3  監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
4  監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。
     第二款 運営
(招集権者)
第三百九十一条  監査役会は、各監査役が招集する。
(招集手続)
第三百九十二条  監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
(監査役会の決議)
第三百九十三条  監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。
2  監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
3  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
4  監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
(議事録)
第三百九十四条  監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
2  監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
一  前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3  前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
4  裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。
(監査役会への報告の省略)
第三百九十五条  取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。

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