行政法 地方自治法22

 

第四章 財産区

 

第二百九十四条    法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、市町村及び特別区の一部で財産を有し若しくは公の施設を設けているもの又は市町村及び特別区の廃置分合若しくは境界変更の場合におけるこの法律若しくはこれに基く政令の定める財産処分に関する協議に基き市町村及び特別区の一部が財産を有し若しくは公の施設を設けるものとなるもの(これらを財産区という。)があるときは、その財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については、この法律中地方公共団体の財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止に関する規定による。

 

○2  前項の財産又は公の施設に関し特に要する経費は、財産区の負担とする。

 

○3  前二項の場合においては、地方公共団体は、財産区の収入及び支出については会計を分別しなければならない。

 

第二百九十五条    財産区の財産又は公の施設に関し必要があると認めるときは、都道府県知事は、議会の議決を経て市町村又は特別区の条例を設定し、財産区の議会又は総会を設けて財産区に関し市町村又は特別区の議会の議決すべき事項を議決させることができる。

 

第二百九十六条    財産区の議会の議員の定数、任期、選挙権、被選挙権及び選挙人名簿に関する事項は、前条の条例中にこれを規定しなければならない。財産区の総会の組織に関する事項についても、また、同様とする。

 

○2  前項に規定するものを除く外、財産区の議会の議員の選挙については、公職選挙法第二百六十八条 の定めるところによる。

 

○3  財産区の議会又は総会に関しては、第二編中町村の議会に関する規定を準用する。

 

第二百九十六条の二    市町村及び特別区は、条例で、財産区に財産区管理会を置くことができる。但し、市町村及び特別区の廃置分合又は境界変更の場合において、この法律又はこれに基く政令の定める財産処分に関する協議により財産区を設けるときは、その協議により当該財産区に財産区管理会を置くことができる。

 

○2  財産区管理会は、財産区管理委員七人以内を以てこれを組織する。

 

○3  財産区管理委員は、非常勤とし、その任期は、四年とする。

 

○4  第二百九十五条の規定により財産区の議会又は総会を設ける場合においては、財産区管理会を置くことができない。

 

第二百九十六条の三    市町村長及び特別区の区長は、財産区の財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止で条例又は前条第一項但書に規定する協議で定める重要なものについては、財産区管理会の同意を得なければならない。

 

○2  市町村長及び特別区の区長は、財産区の財産又は公の施設の管理に関する事務の全部又は一部を財産区管理会の同意を得て、財産区管理会又は財産区管理委員に委任することができる。

 

○3  財産区管理会は、当該財産区の事務の処理について監査することができる。

 

第二百九十六条の四    前二条に定めるものを除く外、財産区管理委員の選任、財産区管理会の運営その他財産区管理会に関し必要な事項は、条例でこれを定める。但し、第二百九十六条の二第一項但書の規定により財産区管理会を置く場合においては、同項但書に規定する協議によりこれを定めることができる。

 

○2  市町村長及び特別区の区長は、財産区管理会の同意を得て、条例で第二百九十六条の二第一項但書に規定する協議の内容を変更することができる。

 

第二百九十六条の五    財産区は、その財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については、その住民の福祉を増進するとともに、財産区のある市町村又は特別区の一体性をそこなわないように努めなければならない。

 

○2  財産区のある市町村又は特別区は、財産区と協議して、当該財産区の財産又は公の施設から生ずる収入の全部又は一部を市町村又は特別区の事務に要する経費の一部に充てることができる。この場合においては、当該市町村又は特別区は、その充当した金額の限度において、財産区の住民に対して不均一の課税をし、又は使用料その他の徴収金について不均一の徴収をすることができる。

 

○3  前項前段の協議をしようとするときは、財産区は、予めその議会若しくは総会の議決を経、又は財産区管理会の同意を得なければならない。

 

第二百九十六条の六    都道府県知事は、必要があると認めるときは、財産区の事務の処理について、当該財産区のある市町村若しくは特別区の長に報告若しくは資料の提出を求め、又は監査することができる。

 

○2  財産区の事務に関し、市町村若しくは特別区の長若しくは議会、財産区の議会若しくは総会又は財産区管理会の相互の間に紛争があるときは、都道府県知事は、当事者の申請に基き又は職権により、これを裁定することができる。

 

○3  前項に規定するものを除く外、同項の裁定に関し必要な事項は、政令で定める。

 

第二百九十七条  この法律に規定するものを除く外、財産区の事務に関しては、政令でこれを定める。

 

第四編 補則

 

(事務の区分)

 

第二百九十八条  都道府県が第三条第六項、第七条第一項及び第二項(第八条第三項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)、第八条の二第一項、第二項及び第四項、第九条第一項及び第二項(同条第十一項において準用する場合を含む。)並びに第五項及び第九項(同条第十一項及び第九条の三第六項において準用する場合を含む。)、第九条の二第一項及び第五項並びに第九条の三第一項及び第三項の規定により処理することとされている事務、第二百四十五条の四第一項の規定により処理することとされている事務(市町村が処理する事務が自治事務又は第二号法定受託事務である場合においては、同条第二項の規定による各大臣の指示を受けて行うものに限る。)、第二百四十五条の五第三項の規定により処理することとされている事務、第二百四十五条の七第二項、第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第一項から第四項まで及び第八項並びに第二百四十五条の九第二項の規定により処理することとされている事務(市町村が処理する第一号法定受託事務に係るものに限る。)、第二百五十二条第二項の規定により処理することとされている事務、同条第三項の規定により処理することとされている事務(市町村が処理する第一号法定受託事務に係るものに限る。)、第二百五十二条の十七の三第二項及び第三項並びに第二百五十二条の十七の四第一項及び第三項(第二百九十一条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定により処理することとされている事務、第二百五十二条の十七の五第一項の規定により処理することとされている事務(同条第二項の規定による総務大臣の指示を受けて行うものに限る。)、第二百五十二条の十七の六第二項及び第二百五十二条の十七の七の規定により処理することとされている事務、第二百五十五条の二の規定により処理することとされている事務(第一号法定受託事務に係るものに限る。)、第二百六十一条第二項から第四項までの規定により処理することとされている事務、第二百八十四条第二項の規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない一部事務組合に係る許可に係るものに限る。)、同条第三項の規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない広域連合に係る許可に係るものに限る。)、第二百八十六条(第二百八十六条の二第二項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)及び第二百八十六条の二第四項の規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない一部事務組合に係る許可又は届出に係るものに限る。)、第二百八十八条の規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない一部事務組合に係 る届出に係るものに限る。)、第二百九十一条の三第一項及び第三項から第五項までの規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない広域連合に係る許可又は届出に係るものに限る。)、第二百九十一条の十第一項の規定により処理することとされている事務(都道府県の加入しない広域連合に係る許可に係るものに限る。)、同条第三項の規定により処理することとされている事務並びに第二百六十二条第一項において準用する公職選挙法 中普通地方公共団体の選挙に関する規定により処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。

 

2  都が第二百八十一条の四第一項、第二項(同条第九項及び第十一項において準用する場合を含む。)、第八項及び第十項の規定により処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。

 

3  市町村が第二百六十一条第二項から第四項までの規定により処理することとされている事務及び第二百六十二条第一項において準用する公職選挙法 中普通地方公共団体の選挙に関する規定により処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。

 

第二百九十九条    市町村が第七十四条の二第一項から第三項まで、第五項、第六項及び第十項(第七十五条第五項、第七十六条第四項、第八十条第四項、第八十一条第二項及び第八十六条第四項において準用する場合を含む。)並びに第七十四条の三第三項(第七十五条第五項、第七十六条第四項、第八十条第四項、第八十一条第二項及び第八十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定により処理することとされている事務(都道府県に対する請求に係るものに限る。)並びに第八十五条第一項において準用する公職選挙法 中普通地方公共団体の選挙に関する規定により処理することとされている事務(第七十六条第三項の規定による都道府県の議会の解散の投票並びに第八十条第三項及び第八十一条第二項の規定による都道府県の議会の議員及び長の解職の投票に関するものに限る。)は、第二号法定受託事務とする。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

関連記事

  1. 行政法 地方自治法7

  2. 行政法 地方自治法12

  3. 行政法 地方自治法20

  4. 行政法 地方自治法2

  5. 5-4 ○問題演習 地方自治法 75 問 標準

  6. 行政法 地方自治法9