行政法 地方自治法5

 

第十節 懲罰

 

第百三十四条    普通地方公共団体の議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。

 

○2  懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。

 

 

第百三十五条    懲罰は、左の通りとする。

 

一  公開の議場における戒告

 

二  公開の議場における陳謝

 

三  一定期間の出席停止

 

四  除名

 

○2  懲罰の動議を議題とするに当つては、議員の定数の八分の一以上の者の発議によらなければならない。

 

○3  第一項第四号の除名については、当該普通地方公共団体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。

 

第百三十六条    普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した議員を拒むことができない。

 

第百三十七条    普通地方公共団体の議会の議員が正当な理由がなくて招集に応じないため、又は正当な理由がなくて会議に欠席したため、議長が、特に招状を発しても、なお故なく出席しない者は、議長において、議会の議決を経て、これに懲罰を科することができる。

 

第十一節 議会の事務局及び事務局長、書記長、書記その他の職員

 

第百三十八条    都道府県の議会に事務局を置く。

 

○2  市町村の議会に条例の定めるところにより、事務局を置くことができる。

 

○3  事務局に事務局長、書記その他の職員を置く。

 

○4  事務局を置かない市町村の議会に書記長、書記その他の職員を置く。ただし、町村においては、書記長を置かないことができる。

 

○5  事務局長、書記長、書記その他の職員は、議長がこれを任免する。

 

○6  事務局長、書記長、書記その他の常勤の職員の定数は、条例でこれを定める。ただし、臨時の職については、この限りでない。

 

○7  事務局長及び書記長は議長の命を受け、書記その他の職員は上司の指揮を受けて、議会に関する事務に従事する。

 

○8  事務局長、書記長、書記その他の職員に関する任用、人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉及び利益の保護その他身分取扱いに関しては、この法律に定めるものを除くほか、地方公務員法 の定めるところによる。

 

第七章 執行機関

 

第一節 通則

 

第百三十八条の二    普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。

 

第百三十八条の三    普通地方公共団体の執行機関の組織は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を有する執行機関によつて、系統的にこれを構成しなければならない。

 

○2  普通地方公共団体の執行機関は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、執行機関相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。

 

○3  普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限につき疑義が生じたときは、これを調整するように努めなければならない。

 

第百三十八条の四    普通地方公共団体にその執行機関として普通地方公共団体の長の外、法律の定めるところにより、委員会又は委員を置く。

 

○2  普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにより、法令又は普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則その他の規程を定めることができる。

 

○3  普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。ただし、政令で定める執行機関については、この限りでない。

 

第二節 普通地方公共団体の長

 

第一款 地位

 

第百三十九条    都道府県に知事を置く。

 

○2  市町村に市町村長を置く。

 

第百四十条    普通地方公共団体の長の任期は、四年とする。

 

○2  前項の任期の起算については、公職選挙法第二百五十九条 及び第二百五十九条の二 の定めるところによる。

 

第百四十一条    普通地方公共団体の長は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。

 

○2  普通地方公共団体の長は、地方公共団体の議会の議員並びに常勤の職員及び短時間勤務職員と兼ねることができない。

 

第百四十二条    普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものを除く。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。

 

第百四十三条    普通地方公共団体の長が、被選挙権を有しなくなつたとき又は前条の規定に該当するときは、その職を失う。その被選挙権の有無又は同条の規定に該当するかどうかは、普通地方公共団体の長が公職選挙法第十一条 、第十一条の二若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法第二十八条 の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。

 

○2  前項の規定による決定は、文書をもつてし、その理由をつけてこれを本人に交付しなければならない。

 

○3  第一項の規定による決定についての審査請求は、都道府県にあつては総務大臣、市町村にあつては都道府県知事に対してするものとする。

 

○4  前項の審査請求に関する行政不服審査法 (平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項 本文の期間は、第一項の決定があつた日の翌日から起算して二十一日とする。

 

第百四十四条    普通地方公共団体の長は、公職選挙法第二百二条第一項 若しくは第二百六条第一項 の規定による異議の申出、同法第二百二条第二項 若しくは第二百六条第二項 の規定による審査の申立て、同法第二百三条第一項 、第二百七条第一項、第二百十条若しくは第二百十一条の訴訟の提起に対する決定、裁決又は判決が確定するまでの間(同法第二百十条第一項 の規定による訴訟を提起することができる場合において、当該訴訟が提起されなかつたとき、当該訴訟についての訴えを却下し若しくは訴状を却下する裁判が確定したとき、又は当該訴訟が取り下げられたときは、それぞれ同項 に規定する出訴期間が経過するまで、当該裁判が確定するまで又は当該取下げが行われるまでの間)は、その職を失わない。

 

第百四十五条    普通地方公共団体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、都道府県知事にあつては三十日、市町村長にあつては二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる。

 

第百四十六条    削除

 

第二款 権限

 

第百四十七条    普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。

 

第百四十八条    普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。

 

 

第百四十九条    普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。

 

一  普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。

 

二  予算を調製し、及びこれを執行すること。

 

三  地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。

 

四  決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。

 

五  会計を監督すること。

 

六  財産を取得し、管理し、及び処分すること。

 

七  公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。

 

八  証書及び公文書類を保管すること。

 

九  前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。

 

第百五十条    削除

 

第百五十一条    削除

 

第百五十二条    普通地方公共団体の長に事故があるとき、又は長が欠けたときは、副知事又は副市町村長がその職務を代理する。この場合において副知事又は副市町村長が二人以上あるときは、あらかじめ当該普通地方公共団体の長が定めた順序、又はその定めがないときは席次の上下により、席次の上下が明らかでないときは年齢の多少により、年齢が同じであるときはくじにより定めた順序で、その職務を代理する。

 

○2  副知事若しくは副市町村長にも事故があるとき若しくは副知事若しくは副市町村長も欠けたとき又は副知事若しくは副市町村長を置かない普通地方公共団体において当該普通地方公共団体の長に事故があるとき若しくは当該普通地方公共団体の長が欠けたときは、その補助機関である職員のうちから当該普通地方公共団体の長の指定する職員がその職務を代理する。

 

○3  前項の場合において、同項の規定により普通地方公共団体の長の職務を代理する者がないときは、その補助機関である職員のうちから当該普通地方公共団体の規則で定めた上席の職員がその職務を代理する。

 

第百五十三条    普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任し、又はこれに臨時に代理させることができる。

 

○2  普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政庁に委任することができる。

 

第百五十四条    普通地方公共団体の長は、その補助機関である職員を指揮監督する。

 

第百五十四条の二    普通地方公共団体の長は、その管理に属する行政庁の処分が法令、条例又は規則に違反すると認めるときは、その処分を取り消し、又は停止することができる。

 

第百五十五条    普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、条例で、必要な地に、都道府県にあつては支庁(道にあつては支庁出張所を含む。以下これに同じ。)及び地方事務所、市町村にあつては支所又は出張所を設けることができる。

 

○2  支庁若しくは地方事務所又は支所若しくは出張所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。

 

○3  第四条第二項の規定は、前項の支庁若しくは地方事務所又は支所若しくは出張所の位置及び所管区域にこれを準用する。

 

第百五十六条    普通地方公共団体の長は、前条第一項に定めるものを除く外、法律又は条例の定めるところにより、保健所、警察署その他の行政機関を設けるものとする。

 

○2  前項の行政機関の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定める。

 

○3  第四条第二項の規定は、第一項の行政機関の位置及び所管区域にこれを準用する。

 

○4  国の地方行政機関(駐在機関を含む。以下本条中これに同じ。)は、国会の承認を経なければ、これを設けてはならない。国の地方行政機関の設置及び運営に要する経費は、国においてこれを負担しなければならない。

 

○5  前項の規定は、司法行政及び懲戒機関、地方入国管理局の支局及び出張所並びに支局の出張所、警察機関、官民人材交流センターの支所、検疫機関、防衛省の機関、税関の出張所及び監視署、税関支署並びにその出張所及び監視署、税務署及びその支署、国税不服審判所の支部、地方航空局の事務所その他の航空現業官署、総合通信局の出張所、電波観測所、文教施設、国立の病院及び療養施設、気象官署、海上警備救難機関、航路標識及び水路官署、森林管理署並びに専ら国費をもつて行う工事の施行機関については、これを適用しない。

 

第百五十七条    普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の綜合調整を図るため、これを指揮監督することができる。

 

○2  前項の場合において必要があるときは、普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等をして事務の報告をさせ、書類及び帳簿を提出させ及び実地について事務を視察することができる。

 

○3  普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の監督上必要な処分をし又は当該公共的団体等の監督官庁の措置を申請することができる。

 

○4  前項の監督官庁は、普通地方公共団体の長の処分を取り消すことができる。

 

第百五十八条    普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる。この場合において、当該普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌する事務については、条例で定めるものとする。

 

○2  普通地方公共団体の長は、前項の内部組織の編成に当たつては、当該普通地方公共団体の事務及び事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮しなければならない。

 

第百五十九条    普通地方公共団体の長の事務の引継ぎに関する規定は、政令でこれを定める。

 

○2  前項の政令には、正当の理由がなくて事務の引継ぎを拒んだ者に対し、十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。

 

第百六十条    削除

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